「カナレットとヴェネツィアの輝き」静岡県立美術館(2024)ヴェネツィアへ行きたくなる展覧会/東京・京都・山口へ巡回、チケット・混雑状況・展示構成など

美術展 海外作家

静岡県立美術館で開催されている「カナレットとヴェネツィアの輝き」展を紹介します。今回、この展覧会を見て、「ヴェネツィアへ行ってみたい!」って思いました。当時、イギリスの貴族の子弟は学業の終了時に、グランドツアーという大規模な国外旅行をしていたそうです。そして、その旅の記念に持ち帰ったのがヴェドゥータ。ヴェドゥータとは、都市や名所を精密に描いた景観画のことです。このヴェドゥータを描いて活躍したのが、本展覧会の主役、カナレット。

グランドツアーを終えイギリスに帰国した人々は、きっと、「俺、こんなところに行ってきたんだぜー」と、絵(ヴェドゥータ)を見せながら土産話をしたのだと思います。当時は、まだ、カメラやポストカードはありませんでしたからね。けど、こんな大きな絵をどうやって持ち帰ったんだろう!?

カナレットってどんな人?

ペンちゃん
ペンちゃん

カナレットって聞きなれない名前だけど、だれ?

cmy
cmy

カナレットは、1697年、イタリア生まれの画家だよ。本名は、ジョヴァンニ・アントニオ・カナルって言うんだ。

ペンちゃん
ペンちゃん

どんな絵を描いていたの?

cmy
cmy

カナレットは、主にヴェドゥータと呼ばれる景観画を描いていたんだ。

ペンちゃん
ペンちゃん

へぇー、景観画ってなんだ~!?

cmy
cmy

ヴェドゥータは、都市や名所をとても詳しく描いた絵のことなんだ。ヴェネチアを訪れた貴族たちは、お土産にヴェドゥータを買い求めたそうだよ。

ペンちゃん
ペンちゃん

なるほどー! こんな絵を持って帰るなんてさすが貴族だなー!

cmy
cmy

当時は、まだポストカードやカメラはなかったからね。きっと、本国に戻った貴族たちは、「俺、こんなところに行ってきたんだぜー! ヴェネツィアって・・・」と土産話を披露したと思うよ。

 

カナレット1697-1768)は、イタリア出身の画家です。

本名は、ジョヴァンニ・アントニオ・カナル。

都市や名所を精密に描いたヴェドゥータ(景観画)で有名になりました。

当時、イギリスの貴族の子弟が、学業の終了時に行った大規模な国外旅行のことを、グランド・ツアーと呼びます。

このグランド・ツアーで、ヴェネツィアはとても人気があったそうです。

当時は、まだ、カメラやポストカードはありませんでした。

ヴェネツィアを訪れた記念として、ヴェドゥータはたいへん人気があったそうです。

旅の記念に、こんな絵画を持ち帰るなんて、さすが貴族ですね。

「カナレットとヴェネツィアの輝き」展の展示構成

Chapter1 カナレット以前のヴェネツィア

まず最初にこのコーナーで、カナレットが登場する以前に、ヴェネチアがどのように描かれていたのかを概観します。

運河に囲まれたヴェネツィアは、当時から観光地として大人気だったそうです。

華やかな衣装や仮面を身に着けた人々が練り歩くカーニヴァルやゴンドラでの移動は、当時から魅力的だったことでしょう。

画家たちは、様々なアングルからヴェネツィアという街を表現しようと苦心してきたようです。

空を飛ぶ乗り物がなかった当時、画家の想像力だけで描いたヤーコポ・デ・バルバリのヴェネツィアの鳥瞰図が見どころです!

Chapter2 カナレットのヴェドゥータ

このコーナーは、本展覧会のメイン。

カナレットが描いたヴェドゥータを見ることができます。

カナレットがヴェドゥータを描き始めたのは1719年頃。

たくさんのヴェドゥータを描いたと思いますが、このコーナーでは、12点の作品を見ることができます。

これらの絵画を見て、思わず「ヴェネツィアに行ってみたい」とつぶやいてしまいました。カナレットの画力のなせる技ですね。

Chapter3 カナレットの版画と素描―想像の周辺

そして、このコーナーでは、カナレットが描いた素描を見ることができます。

油彩画や版画を制作する前に描かれた素描ですが、それだけでも十分に完成度の高い作品ばかりでした。

カナレットの作品は、5点。

カナレットが描いたヴェネツィアの風景は、実際とはちょっと違うようです。

それは、ヴェネツィアという都市をより魅力的に表現するために、画面の奥行を強調し、建物をちょっと動かして配置したり、船や人物を増やしたりして、画面の密度を高めているからです。

カナレットが使っていたレフレックス・カメラ・オブスキュラも展示されていました。

こんな最先端の機器を使って、描いていたんですね。

Chapter4 同時代の画家たち、後継者たち―カナレットに連なる系譜の展開

このコーナーでは、カナレットに影響を受けた同時代の画家たちの作品を見ることができます。

代表的な画家は、ミケーレ・マリエキス(1710-1743)、ベルナルド・ベロット(1722-1780)、フランチェスコ・アルボット(1721-1757)などです。

どの作品も素敵ですが、こうやって比べて見ると、やっぱりカナレットの作品の完成度が引き立ちますね。

Chapter5 カナレットの遺産

そして、最後のこのコーナーでは、カナレット亡き後、水の都ヴェネツィアがどのように描かれていったのかを知ることができます。

展示されている作品は、モネやホイッスラー、シニャック、ターナーなど。

ヴェネツィアというテーマで、絵画の変遷をたどることができる展示構成になっています。

たくさんの画家に、さまざまな技法で描かれたヴェネツィア。

ヴェネツィアは、画家にとっても魅力的な都市だったんですね。。

ますます、行ってみたくなりました。

※ ターナーの作品は静岡県立美術館収蔵のもので、静岡会場のみの展示となります。

「カナレットとヴェネツィアの輝き」展のベスト3

ペンちゃん
ペンちゃん

なるほどー! ぼくも、ヴェネツィアへ行ってみたくなったよ。

cmy
cmy

カナレットの魅力が伝わってくる展示だったね。

ペンちゃん
ペンちゃん

今回の展覧会のベスト3を教えてー!

cmy
cmy

それでは、紹介するよ~

◆ベスト1◆ カナレット《昇天祭、モーロ河岸のプチントーロ》(1760)

この作品は、明るい色の点々が画面に広がっていてとても美しい作品です。

ヴェネツィアの陽光のきらめきが伝わってくる感じ。
キラキラした海面も引き込まれます。
光の粒子が集まって描かれたみたいで、幻想的な感じがします。
海面にも光の粒子が集まってきています。

そして、たくさんの船が浮かんでいて、
船に乗る人たちの活気が伝わってきます。

オールをもって船をこいでいる人、
会話をしている人、
座って景色を眺めている人、
たくさんの人たちの動きを描き分けているのもすごい。

船の周りの白波も美しいです。
船も生き生きとしている感じがします。

そして、サンマルコ広場と造幣局の建物の緻密さが圧倒的です。
存在感が凄い。
重厚感が伝わってきて歴史の重みを感じさせます。
前景との対比もおもしろいですね。

プチントーロ(御座舟)の屋根に座っている人は何をしているのでしょうか?

 

◆ベスト2◆ カナレット《カナル・グランデのレガッタ》(1730-1739)

こちらの作品も、たくさんの船(レガッタ)がひしめき合っています。
大きくて派手な飾りをつけた船もあれば、シンプルな形の船もあります。
大きさも様々です。
それぞれの船には10名ぐらいの漕ぎ手が乗っていて、みんなそれぞれ違うポーズをしていて、船に乗っている人たちの活気が伝わってきます。

そして、カナル・グランデの色が美しいです。
エメラルドグリーン。
よーく見ると、川面のきらめきがしっかりと描き込まれているのが分かります。

上半分が青空、下半分がエメラルドグリーンの河で色の対比も美しいです。

川沿いの建物からは、たくさんの人が見物しています。
こんなににぎやかなボートレース。盛り上がってますねー。
見てみたいなー

 

ベスト3 ヤーコポ・デ・バルバリ《ヴェネツィア鳥瞰図(第3版)》(1500)

そして、第3位は、カナレットの作品ではなく、、、

ヤーコポ・デ・バルバリ《ヴェネツィア鳥瞰図(第3版)》(1500)です。

ヴェネチアの街並みを細部まで丁寧に描いたこちらの作品は、巨大な木版画!

133.6×277.2cm!

建物、橋、広場、船など細部まで描かれていて、とても木版画とは思えません。

そして、この鳥観図は、作家の想像です。
実際に空から見て描いたわけではありません。
当時、空からヴェネツィアを見下ろす手段はありませんでしたからね。

ヴェネツィアにある数々の高い建物から眺めた景色を一つの作品にまとめたと考えられています。
その想像力・創造力はすごいです!

原版の版木は全部で6つ。
展示されている作品は、12枚の紙に刷られたものです。

制作には、約3年かかっているそうです!

「カナレットとヴェネツィアの輝き」展の開催概要

  • 会場 静岡県立美術館
  • 会期 2024年7月27日(土)~2024年9月29日(日)
  • 時間 10:00~17:30

「カナレットとヴェネツィアの輝き」展の入場料

  • 一般 1,500円
  • 70歳以上・大学生・高校生 800円
  • 中学生以下 無料

「カナレットとヴェネツィアの輝き」展の混雑状況

週末の午後は、混雑しているようですが、
入場待ちをするほどの混雑ではありませんでした。
ゆったりと鑑賞することができました。

ぜひ、じっくりと鑑賞して、ヴェネチアへの思いを高めてください。

「カナレットとヴェネツィアの輝き」展の鑑賞時間について

展示作品の点数は約60点。

スコットランド国立美術館など英国コレクションを中心に、油彩、素描、版画などで構成されています。

鑑賞時間は、60~90分ぐらいで、一通り鑑賞することができます。

「カナレットとヴェネツィアの輝き」展の巡回情報

「カナレットとヴェネツィアの輝き」展は、下記のように、静岡を含めて計4会場で開催されます。

ぜひ、お近くの会場へ足を運んでみてください。

  • 会場 SOMPO美術館(東京)
  • 会期 2024年10月12日~12月28日

  • 会場 京都文化博物館
  • 会期 2025年2月15日~4月13日

  • 会場 山口県立美術館
  • 会期 2025年4月24日~6月22日

 

cmy
cmy

魅力いっぱいの「カナレットとヴェネツィアの輝き」展、ぜひ見に行ってみてくださいね。

ペンちゃん
ペンちゃん

ばいばーい

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