2024年展覧会スケジュール/これだけは見逃せない!2024年大注目の美術展ベスト24展/『美術展ぴあ』のレビュー・感想(後編)

いろいろ

『美術展ぴあ』を紹介する後編です。『美術展ぴあ』は、2024年の展覧会のなかからBESTofBESTの24展が紹介されています。取り上げられている美術展は、印象派、現代アートから、日本画・仏像などの日本美術展まで様々なジャンルの展覧会が選ばれています。この24展に関してはカラーで大きく作品が紹介されていて見ていてとても楽しい構成になっていますよ。

『みちのく いとしい仏たち』

北東北のやさしい仏たち

『みちのく いとしい仏たち』

  • 開催中~2024年2月12日(月)/東京ステーションギャラリー

本展で紹介されるのは、江戸時代に北東北でつくられた「民間仏」。「民間仏」とは、仏師ではない市井の手で彫られた仏のことです。今回の展覧会では、そんな素朴な民間仏が青森、岩手、秋田から大集結。穏やかで、やさしい表情の仏像たちは、見ると心が和むこと間違いなしです。

 

『円空―旅して、彫って、祈ってー』

旅する仏師、円空

『円空―旅して、彫って、祈ってー』

  • 2024年2月2日(金)~4月7日(日)/あべのハルカス美術館(大阪)

円空は、江戸前期に生まれた仏師。三十数年にわたり、諸国を巡りながら、仏像を彫り続けました。今回の展覧会では、なんと160体が大集合です。岐阜・愛知・三重を中心にして、全国に散らばる円空仏をまとめて鑑賞することができる貴重な機会です。慈愛に満ちた、円空仏に会いに行こう!

 

『ロートレック展 時をつかむ線』

パリの喧騒を描いたロートレック

『ロートレック展 時をつかむ線』

  • 2024年6月22日(土)~9月23日(月)/SOMPO美術館(東京)
  • 2024年10月12日(土)~2025年1月5日(日)/札幌芸術の森美術館

ロートレックは、19世紀末のキャバレーやダンスホール、劇場などを舞台にした人物像を描き出しました。版画やポスターを多数制作し、ベルエポックと呼ばれた時代を代表する画家となりました。ロートレックの個人コレクションとしては最大と言われるフィロス・コレクションから約240点の作品が来日します。

 

『キュビズム展―美の革命』

日本では50年ぶりの大キュビズム展

『キュビズム展―美の革命』

  • 開催中~2024年1月28日(日)/国立西洋美術館
  • 2024年3月20日(水)~7月7日(日)/京都市京セラ美術館

キュビズムを創始したピカソとブラックを中心にして、この絵画技法がどのように西洋美術に影響を与え、発展していったのかを回顧する展覧会です。キュビズムの流れと発展を一望することができる大規模な展覧会です。パリのポンビドゥセンターから多数の作品が来日。日本初出品となる作品も多数含まれています。

 

『TORIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション』

“トリオ”で楽しむモダンアート

『TORIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション』

  • 2024年5月21日(火)~8月25日(日)/東京都国立近代美術館
  • 2024年9月14日(土)~12月8日(日)/大阪中之島美術館

パリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館がコラボ。主題やモチーフ、構図などをテーマにして、3館の代表作品が紹介されます。実物を目の前にして見比べることはめったにできないので、それぞれの作品の共通点や相違点を見つける貴重な機会になりそうです。

 

『空海 KUKAI―密教のルーツとマンダラ世界』

空海が伝えた「密教」の神髄

『空海 KUKAI―密教のルーツとマンダラ世界』

  • 2024年4月13日(土)~6月9日(日)/奈良国立博物館

讃岐国(香川県)に生まれた空海が、唐に渡り、学んだ密教。空海は、帰国後、日本に真言密教を確立しました。国宝約30点を含む作品で、密教のルーツをたどる展覧会です。空海が制作に関わった現存最古の国宝《両界曼荼羅(高尾曼荼羅)》が、修理後初公開されます。

 

『皇室のみやびー受け継ぐ美―』

「皇居三の丸尚蔵館」会館!

『皇室のみやびー受け継ぐ美―』

  • 開催中~2024年6月23日(日)/皇居三の丸尚蔵館

「皇居三の丸尚蔵館」は2023年11月に開館しました。本展覧会は、開館記念展となります。同館では、皇室に受け継がれてきた数々の貴重な美術工芸品が収蔵されています。現在も建設工事中で、2026年に全館会館予定です。

 

『金屏風の祭典-黄金の世界へようこそ』

豪華絢爛! 日本の金屏風

『金屏風の祭典-黄金の世界へようこそ』

  • 開催中~2024年6月2日(日)/岡田美術館(箱根)

金屏風とは、文字通り輝く黄金で画面を装った屏風。金地に、様々な風景や植物などが描かれています。豪華絢爛な金屏風は、当時、空間を晴れやかに演出する調度品でした。本展覧会では、様々な時代に生み出された約30点もの金屏風が展示されます。

 

『サムライ、浮世絵師になる! 鳥文斎栄之展』

旗本出身の美人画家・鳥文斎栄之

『サムライ、浮世絵師になる! 鳥文斎栄之展』

  • 2024年2月6日(土)~3月3日(日)/千葉市美術館

鳥文斎栄之(ちょうぶんさいえいし)は、元旗本という出自をもつ浮世絵師。豪華な錦絵は、当時、たいへんな人気があったそうです。しかし、明治時代に、多くの作品が海外に流出してしまい、これまで全貌が知られていませんでした。ボストン美術館や大英博物館収蔵の作品も日本に里帰り。鳥文斎栄之の画業と魅力に迫る展覧会です。

『没後50年 福田平八郎』

日本画の新境地を拓いた福田平八郎

『没後50年 福田平八郎』

  • 2024年3月9日(土)~5月6日(月)/大阪中之島美術館
  • 2024年5月18日(土)~7月15日(日)/大分県立美術館

塩田平八郎は、大正・昭和の京都画壇で活躍した日本画家です。没後50年を記念する、大阪では初となる大回顧展です。平八郎は、自然の様子を子細に観察し、その生命感を表現しようと試みました。草花や雲などが、大胆な構図と色彩で描かれています。初期から晩年までの一望できる展覧会です。

 

『須田悦弘』

須田悦弘の“侘び寂び”の世界

『須田悦弘』

  • 2024年11月30日(土)~2025年2月2日(日)/渋谷区立松濤美術館

須田悦弘(すだよしひろ)は、花や草木を、精巧な木彫で生み出してきました。その繊細な植物の彫刻は、展示空間と一体となって、須田の世界観を表現します。触れたら壊れてしまいそうな繊細な作品が、独自の空間を彩ります。都内の美術館では、久しぶりの個展です。

 

『第8回横浜トリエンナーレ 野草:いま、ここで生きている』

「横浜トリエンナーレ」開催!

『第8回横浜トリエンナーレ 野草:いま、ここで生きている』

  • 2024年3月15日(金)~6月9日(日)/横浜美術館など

「横浜トリエンナーレ」は、2001年に始まりました。今年で、第8回目の開催となる、3年に1度開催される国際的な現代アートの祭典です。今回のテーマは、「野草:いま、ここで生きている」。会場は、横浜美術館、旧第一銀行横浜支店、BankART KAIKOの3か所です。

 

■ 以上で、全24展の紹介を終わります。

■ 充実した、アートライフを!

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