奥能登国際芸術祭の楽しみ方を紹介します。
奥能登国際芸術祭は、石川県珠洲市を舞台に開催される、現代アートの祭典です。
2017年に第1回が開催され、今年は第3回目になります。
今回は、14の国と地域から参加する作家の新作34点、既存の作品と合わせて61点が展示されています。
おすすめの作品をレンタカーで回りながら楽しむことができます。
「奥能登国際芸術祭」の開催概要
- 会場 石川県珠洲市内全域
- 会期 2023年9月23日(土)~11月12日(日)
- 時間 9:30~17:00
「奥能登国際芸術祭」の入場料など
〇 作品鑑賞パスポート
- 一般 3,300円
- 大学生 1,650円
- 小中高生 550円
作品鑑賞パスポートは、芸術祭の会期中すべての作品を1回ずつ鑑賞できます。
〇 パスポートの購入窓口
- 道の駅すず塩田村
- 道の駅狼煙
- 道の駅すずなり
- 珠洲市内郵便局
- 奥能登国際芸術祭実行委員会事務局 など
〇 ガイドブック 1,300円
「奥能登国際芸術祭」の楽しみ方について
奥能登国際芸術祭は、石川県珠洲市を舞台に開催される、現代アートの祭典です。
2017年に第1回が開催され、今年は第3回目になります。
今回は、14の国と地域から参加する作家の新作34点、既存の作品と合わせて61点が展示されているそうです。
作家は、珠洲の歴史や風土・文化と向き合い、作品を作り上げます。
総合プロデューサーは、北川フラム氏。
北川氏は、新潟十日町で「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ(第1回は2000年)」を成功させ、地域芸術祭ブームのきっかけをつくりました。
作品は、屋外に展示されているものが多いです。
廃校や海岸、里山の風景のなかに展示されています。
奥能登の風景を見ながら、作品を楽しむことができます。
「奥能登国際芸術祭」の回り方
珠洲市は、能登半島の先端に位置しています。
作品は、珠洲市内全域の海沿いに展示されています。
見たい作品を決めて、車での移動がおすすめです。
「すずアートバス」が運行されていて、バスで主要な作品をガイド付きで見て回ることができます。全4コース。各コース2,750円
せっかく、能登半島へ行くなら、金沢にも寄って二十世紀美術館を見てきたいですね。
おすすめの作品
《風と波》奥村浩之・おくむらひろゆき
奥村浩之は、石川県金沢市出身の彫刻家。
《風と波》は、鰐崎の海をイメージして創作した作品だそうです。
割った石を再構成する「割戻し」という手法で創られています。
白色の大きな石を割り、加工し、再構成して創られた作品は、鰐崎海岸に展示されています。海と空を背景にして、白い石が映えます。
刻々と移り変わる日差しによって、作品の表情が変わっていくところは屋外展示作品の魅力です。
《記憶への回廊》山本基・やまもともとい
山本基は、広島県尾道市出身のアーティストです。
《記憶への回廊》は、旧小泊保育所の壁や天井を青色でペイントし、部屋の中央に塩の階段を設置した作品です。
「塩」は、山本基の重要な素材となっています。また、珠洲市の特産品でもあります。
塩自体は無色透明ですが、窓から差す光や壁の青色が反射し、幻想的な色を生み出しています。
ところどころ崩れている塩の階段は、命の儚さを表現しているように感じました。
山本基は、展示終了後、作品を壊し、塩を海に還すプロジェクトにも取り組んでいます。
2024年には、オーストリアで、約5トンの塩を使ったインスタレーションを制作予定だそうです。
《時を運ぶ船》塩田千春・しおたちはる
塩田千春は大阪府岸和田市出身で、現在、ベルリンに在住しているアーティストです。
《時を運ぶ船》は、旧珠洲市立清水保育所に展示されています。
赤い糸が複雑に絡み合い、一艘の小舟を掬い上げているかのような作品です。
小舟から炎が燃え上がっているようにも見えるし、絡み合う糸は人間の血管のようにも見えます。
舟は能登半島に伝わる製塩法で使われていた砂取船だそうです。
2024年9月には、大阪中之島美術館で個展『塩田千春 つながる私(アイ)』を開催予定です。
『カーサ ブルータス』2023年10月号
カーサ ブルータス2023年10月号では、「奥能登国際芸術祭」のほか、金沢の美術館情報や、ゲルハルト・リヒターの作品を展示する「リヒター・ラウム」(長野県軽井沢)、杉本博司の新作なども見ることができます。
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