現在、浜松市美術館で開催されている「アニメーション美術の創造者 新・山本二三展」へ行ってきました。山本二三(やまもと にぞう)は、『天空の城ラピュタ』(1986)、『火垂るの墓』(1988)、『もののけ姫』(1997)などの美術監督として、背景美術を担当しました。
『新・山本二三展』の概要
◆ 展覧会の概要
- 会期 2023年7月8日(土)〜9月10日(日) ー7月18日・24日・31日・9月4日は休館
- 開館時間 9時30分~17時
- 会場 浜松市美術館
◆ 入館料
- 大人 1,200円
- 高校生・大学生・専門学生 800円
- 中学生以下 無料
◆ 図録 2,500円
『新・山本二三展』の展示構成
本展は、大きく分けて5つのコーナーで構成されています。原画だけでなく、原画を高精細に撮影した画像も見ることができます。初期から最新作までの背景画や、未公開の美術設定やイメージボード、山本二三が使用していた道具も展示されていました。約230点。
1 冒険の舞台
主に、『未来少年コナン』(1978)、『天空の城ラピュタ』(1986)の背景美術が展示されています。空想上の建造物や自然をどのように描いたのかを知ることができます。
2 そこにある暮らし
『火垂るの墓』(1988)、『時をかける少女』(2006)を中心にして、現実世界をどのように描いてきたのかを知ることがでます。
3 雲の記憶
『くじらぐも』(1992)、『時をかける少女』(2006)、『天気の子』(2019)などの作品でどのように「雲」が描かれてきたのかを見ることができます。山本二三の雲の描写は、ファンの間で「二三雲」と呼ばれています。
4 森の命
ここでは、『もののけ姫』(1997)で、背景画の大部分を占めた深い森や、木々の描写に注目します。
5 忘れがたき故郷
山本二三の出身地は、長崎県です。故郷の五島列島を描いた「五島百景」を中心に展示されています。
また、最後に、最新作「桜舞う浜松城」を見ることができます。制作中の様子も映像で見ることができます。
山本二三とは
山本二三(やまもと にぞう)は、1953年に長崎県五島市に生まれました。
岐阜県の工業高校へ進学し建築を学び、その後、専門学校でアニメーション美術を学びました。
1974年、美術スタジオに入社。数々のアニメーションの背景を担当することになります。
1978年、24歳で『未来少年コナン』の美術監督に抜擢されて以来、宮崎駿・高畑勲の両監督を支えました。
細田守監督の『時をかける少女』(2006)、新海誠監督の『天気の子』(2019)においても数々の名シーンを演出しました。
2023年8月19日、胃がんのため逝去。
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