「ヘラルボニー・アート・プライズ 2024」三井住友銀行1階アース・ガーデン(2024)/グランプリはどんな作品?/アートでつなぐ福祉と社会

美術展 国内作家

ヘラルボニー・アート・プライズは、「世界中の障害のある表現者を対象に、一人ひとりの作家としての才能を評価し、さらなる活躍の機会を生み出すこと」を目的とした国際アートアワードです。ヘラルボニーは、障害のある表現者のアート作品を、ネクタイ、洋服などのアパレル商品に落とし込み製品化している福祉実験カンパニー。ヘラルボニーのミッション「異彩を、放て。」の通り、世界中から応募された多様な異彩を放つアート作品が展示されていました。

「ヘラルボニー・アート・プライズ」ってなに?

cmy
cmy

グランプリは、ポスカで米袋に描いた作品。もう、細かすぎて目がチカチカしたよ。ただ、その存在感は圧倒的!

ペンちゃん
ペンちゃん

なに、なに! 気になるー!

cmy
cmy

これらの作品は、「ヘラルボニー・アート・プライズ」に入賞した作品だよ。

ペンちゃん
ペンちゃん

それは、なんだー!?

cmy
cmy

障害のあるアーティストたちの作品で、アウトサイダー・アートとかアール・ブリュットと呼ばれたりすることもあるよ。

ペンちゃん
ペンちゃん

へぇー! 今まで見たことのない作品ばかりだね!

ヘラルボニーは、アートを起点に新たな価値や文化の創造を目指す福祉実験カンパニーです。

障害のある表現者のアート作品を、ネクタイ、洋服などのアパレル商品等に落とし込み製品化しています。

また、アーティストとライセンス契約を結び、商品の販売を通して、障害のある表現者の自立を支援しています。

そして、ヘラルボニーが主催する公募制のコンペティションが、今回紹介する「ヘラルボニー・アート・プライズ2024」です。

ヘラルボニー・アート・プライズは、「世界中の障害のある表現者を対象に、一人ひとりの作家としての才能を評価し、さらなる活躍の機会を生み出すこと」を目的とした国際アートアワード。

ヘラルボニーのミッション「異彩を、放て。」の通り、世界中から応募された多様な異彩を放つアート作品が展示されていました。

ちなみに、応募対象者として

1.国内外で活躍を志望する、障害(※)のある作家を対象とします。
※障害者手帳をお持ちの方
※一次審査通過者は本人確認書類としてコピーを提出いただきます

と明記されていました。

 

「ヘラルボニー・アート・プライズ2024」の展示構成

  • グランプリ 1点
  • 企業賞 7点
  • 審査員特別賞 4点

を含め、最終審査に進出した全62作品が展示されています。

応募総数は、1,973点。世界中から応募がありました。

 

「ヘラルボニー・アート・プライズ2024」のベスト3

どれもユニークで、一人一人の個性が爆発した作品ばかりでした。

自分と向き合い、画材と向き合い、表現への衝動とコミュニケーションをとりながら生まれた作品ばかりだと感じました。

その中でも、心に残った作品を3点紹介します。

 

〇 浅野春香《ヒョウカ》

グランプリを受賞した作品です。

切り広げた米袋に花のような、花火のような模様が点描でびっしりと描かれています。

画材はポスカ。

まず、パッと見た時に作品のもつ存在感に目を引かれ、そして、近づいて見た時、緻密な点描による表現に驚き、頭がクラクラしました。

「えっ! これどうやって描いたの!?」

同心円状に広がるカラフルな模様は、樹の年輪のようにも見えるし、
米袋を破いた跡が左右に残っていて、テキスタイルのようにも見えます。

テーマは、満月の夜の珊瑚の産卵だそうです。

製作期間は、約7か月間。

気が遠くなります。

「評価されたい」という感情を原動力に、「表現したい」という止むにやまれぬ作者の情熱が加わり出来上がった作品。

すごいです!

ぜひ、直接、見ていただきたい作品です。

 

〇 フラン・ダンカン《Blue Marble》

丸井グループ賞を受賞した作品です。

第一印象は、「大理石!?」

とても光沢があって、硬質な感じがしました。

画材は、アルコールインク、ユポ紙。

ユポ紙は、紙とプラスチックフィルムの特長を合わせ持った合成紙のことです。

黒色の線が揺らぎ、滲む青紫色と緑色がじわりと広がり、不思議な作品でした。

近づいてみると細かな線が幾重にも重なり、光沢と透明感のある質感はステンドグラスのようでもありました。

ガラスの破片が集まって一つの画面を構成している感じ。

数万年の時の流れが堆積し、自然が生んだ芸術作品のようでした。

同じ作家の作品で、《Monsoon》も展示されています。
そちらもぜひ見てください。

 

〇 テスファイ・ベケレ・ベリ《Balance of Movement》

アクリル絵の具で、大画面に描かれた作品。

たくさんの色と線が重なり、美しい作品でした。

黄色を基調として、青緑や赤色の線がうねり、何本も重なっています。

チューブから直接絞り出されたような線、ドリッピングの技法で、上から絵の具を垂らして描かれた線、細い糸がこんがらがったような線。

様々な線と色が混然一体となって、圧倒されました。

近づいてみてみると、その凹凸から、何回も絵の具を重ねていることが分かりました。

作者は、エチオピア出身。

色づかいが、お国柄を表しているようにも感じました。

 

「ヘラルボニー・アート・プライズ2024」の開催概要

  • 会場 三井住友銀行東館1階 アース・ガーデン
  • 会期 2024年8月10日(土)~2024年9月22日(日)
  • 時間 10:00~18:00

 

「ヘラルボニー・アート・プライズ2024」の入場料

  • 無料

ペンちゃん
ペンちゃん

どれもユニークな作品ばかりだね。

cmy
cmy

うん。どの作品も、作家の色というか個性が爆発している感じだったよ。

ペンちゃん
ペンちゃん

いいねー!

cmy
cmy

作品だけを見ているとつい忘れてしまうけど、入退院を繰り返しながら治療を続け、そんな中で創作活動をしている作家さんもたくさんいるそうだよ。

ペンちゃん
ペンちゃん

へぇー!

cmy
cmy

「こんな表現方法があるんだ!」と驚く作品ばかりだったから、ぜひ見に行ってほしいな。誰が描いても、大事なのは絵がもつパワーだと思ったよ。

ペンちゃん
ペンちゃん

なるほど。じゃーねー! バイバーイ!

コメント

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