長沢芦雪展覧会,2023の混雑状況・巡回情報・チケット・展示構成など/ゆるかわ子犬に会える!

美術展 国内作家

大阪中之島美術館で開催されている「特別展 生誕270年 長沢芦雪 ー奇想の旅、天才絵師の全貌ー」へ出かけてきました。長沢芦雪は、丸山応挙の高弟として、江戸時代中期に活躍した絵師です。大阪では、初の長沢芦雪展。和歌山県の無量寺や兵庫県の大乗寺など、遠方へ出掛けなければ見ることができない襖絵も、間近に見ることができました。また、江戸時代に描かれた「ゆるかわな子犬」にも出会うことができますよ!

「特別展 生誕270年 長沢芦雪 ー奇想の旅、天才絵師の全貌ー」の開催概要

  • 会場 大阪中之島美術館4F展示室
  • 期間 2023年10月7日(土)~12月3日(日)
  • 開館時間 10:00~17:00(最終入場30分前)
  • 休館日 月曜日

前期と後期で展示物の入れ替えがあります。

    • 前期:2023年10月7日(土)~11月5日(日)
    • 無量寺・串本応挙芦雪館(和歌山)より 《龍図・虎図》の襖絵
    • 《方寸五百羅漢図》などを展示
    • 後期:2023年11月7日(火)~12月3日(日)
    • 大乗寺(兵庫)より 《群猿図》の襖絵
    • 伊藤若冲《像と鯨図屏風》などを展示

後期の方が、「ゆるかわ犬」増量です。
応挙の子犬も、かわいいですよ

「長沢芦雪展覧会 ー奇想の旅、天才絵師の全貌ー」のチケット・グッズなど

  • 一般 1,800円
  • 高大生 1,100円
  • 小中生 500円
  • 図録 2,800円
  • クッション 4,980円
  • ポストカード 165円
  • トートバッグ 2,000円~
  • きなこクルミ 702円

「特別展 生誕270年 長沢芦雪 ー奇想の旅、天才絵師の全貌ー」の展示構成

第1章 円山応挙に学ぶ

応挙に入門する前の作品や入門直後の作品を見ることができます。

この頃から、芦雪の才能はとても絵が上手だったことが分かりました。《西王母図》(1782)では、髪の毛一本一本までが精緻に描かれています。その、筆の細やかさが生み出す、髪の毛の質感には驚かされました。また、蛇や鶴などの動物のリアルさも見どころです。よくぞここまで精緻に描けるものだなと感じました。また、縦長の画面に、破綻なく、余白を生かしながら対象を描く構図も美しかった。将来を嘱望され、応挙に入門したことがよく分かりました。

《岩上猿・唐子遊楽図屏風》(江戸時代・18世紀)では、小川のほとりで、子どもと5匹のかわいい子犬が遊んでいる様子が描かれています。もふもふのゆるかわな子犬がかわいらしいです。

第2章 紀南での揮毫

1786年(天命6年)から翌年の2月まで、和歌山県南部に滞在しました。
紀南滞在中に描いた絵を見ることができます。この時に、無量寺をはじめとする、多くの寺院の襖絵を描きました。

無量寺の《龍図襖》《虎図襖》は、たいへん大きな作品です。龍と虎、それぞれ6枚ずつの襖で構成されています。

龍の顔つきは、たいへん迫力があります。しかし、上目遣いの表情は、どこか憎めない愛らしい感じが伝わってきました。雷雲から顔を出した感じで、胴体は、はっきりと描かれていません。龍がうねりながら、眼前に迫ってくるような描写になっています。勢いある筆致と、墨の濃淡が美しいです。

虎は、こちら向かって飛びかかろうとしている様子です。前脚の短さと後ろ脚の長さが、ちょっとアンバランス。そして、円を描いた長い尻尾が、芦雪の遊び心を感じさせます。表情は、勇ましさよりも、ちょっとかわいらしさを感じさせます。ひげは、真っすぐに鋭く描かれていて、芦雪のこだわりが感じられました。

第3章 より新しく、より自由に

紀南から京へ戻った頃から、40代の頃までの作品を見ることができます。晩年は、応挙の画風を受け継ぎながらも、独創的な絵を描いていきました。

前期・初公開の《蕗図(ふきず)》(江戸時代・18世紀)は、蕗に直接絵具を塗り、紙に押しつけ、葉脈など細部まで写し取った作品です。その上に、芦雪が多数の蟻を加筆しました。蟻は体の部位や触覚まで緻密に描写されていて、驚かされます。

また、《方寸五百羅漢図》(1798)は、わずか一寸(約3センチ)四方の紙に白い象に乗る釈迦、その周囲に約500人の羅漢がひしめいています。極小の画面に、これだけ密度の高い絵を描いた芦雪の技術力と、作品として成立させた芦雪のユーモアを感じさせられる作品でした。

第4章 同時代の天才画家たち

芦雪と同時代に京都で活躍した、伊藤若冲、曽我蕭白の作品を見ることができます。

伊藤若冲《桃花双鶏図》(江戸時代・18世紀)は、向かい合う雄鶏と雌鶏を描いた作品です。鶏の羽の美しさは、若冲らしい描写です。鶏の体の向きと、桃の花のバランスがおもしろ作品です。

曽我蕭白《鷹図押絵貼屏風》(江戸時代・1758~61)は、様々な場面での鷹を描いた作品です。雪に覆われた樹に止まる鷹の姿、飛び立とうとする瞬間の鷹、鳥と闘う鷹など。どの瞬間にも、生き生きとした鷹が描かれていました。

長沢芦雪展覧会,2023大阪の混雑状況

混雑するのは、土日祝日の午後です。
当日券の購入に列ができています。

自動券売機3台とカウンターでの販売が一か所あるので、比較的スムーズに購入できます。

会場は、広いので、ゆったりと鑑賞することができました。

平日に行くことができる方は、ぜひ、午前中に。

前期と後期では、9割近くの作品が入れ替わるそうなので、もう一度行きたいなと思っています。

◆ メインビジュアル

《牛図》(江戸時代 18世紀)…後期展示

ちょっと首をかしげる感じで、愛らしい牛! くりくりの目もかわいいですね! 「みんな見に来てね~」とお話しているみたいです。

長沢芦雪展覧会の巡回情報

【福岡】

  • 会場 九州国立博物館
  • 会期 2024年2月6日(火)~3月31日(日)
  • 前期:2024年2月6日(火)~3月3日(日)
  • 後期:2024年3月5日(火)~3月31日(日)

※ 大阪展と福岡展では、出品作品が一部異なります。

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