現在、青森県立美術館で「奈良美智 The beginning place ここから」が開催されています。奈良美智は、青森県生まれ。生誕の地での回顧展です。本展覧会では、学生時代の作品から最新作までを見ることができます。青森県立美術館は、1990年代から作品収集を始め、世界最大の奈良美智作品コレクションを誇っています。青森県美術館に行けば、大きな《あおもり犬》にも会えますよ!
「奈良美智展」の開催概要
- 会場 青森県立美術館
- 会期 2023年10月14日(土)~2024年2月25日(日)
- 休館日 10月23日(月)、11月13日(月)、27日(月)、12月11日(月)、25日(月)–2024年1月1日(月・元日)、9日(火)、22日(月)、2月13日(火)
- 時間 9:30~17:00
「奈良美智展」の入場料など
- 一般 1,500円
- 高大生 1,500円
- 小中学生 無料
- 図録 3,850円
チケットは、
ローソンチケット(Lコード 21794)
Webチケット GETTIIS
で購入することができます。
「奈良美智展」の展示構成について
本展覧会は、5つのテーマに沿って、初期の作品から最新作までが展示されています。
1.家(House/Home)
奈良作品にしばしば現れる「家」のモチーフの意味を初期作品の変遷をたどりながら考えます。(青森県立美術館HPより)
「家」をモチーフにした作品が展示されています。
武蔵野美術大学に通っていた頃の油彩画《カッチョのある風景》(1979)
も見ることができます。
奈良美智にとっての「Home」=故郷(青森)。画家としての出発点である青森。The beginning placeを象徴するような内容になっています。
2. 積層の時空(Space-Time in Layers)
近年の絵画作品やドローイング等を通じて奈良作品におけるレイヤー(積層)の重要性を浮き彫りにします。(青森県立美術館HPより)
ここでは、睨みつけるような鋭い目つきの女の子の変遷を見ることができます。
自分と向き合いながら、創作を続けてきた過程がよく分かります。
最新作の女の子の肖像画が展示されているのは、このコーナーです。
《Midnight Tears》(2023年)は、真正面を向いた、女の子の肖像画です。今にも涙がこぼれそうな感じ。高さ2m。想像していたよりも、かなり大きい作品です。
3. 旅(Travel)
近年の感性の起源を求める旅から生まれた多様な表現(写真、陶芸等)を紹介します。(青森県立美術館HPより)
小屋をモチーフにした作品や、旅で撮影した小屋の写真などで構成されています。《アフガン小屋(青森バージョン)》(2004/2023)は、木材とトタンで作られた実物の小屋です。小屋の中では、アフガニスタンで撮影されたカラースライドが映写されています。
4. NO WAR(NO WAR)
「反戦」のテーマと音楽との関係性や社会に浸透する奈良作品の力について考えます。(青森県立美術館HPより)
NO WARとNO NUKESは、奈良の作品の根底に流れているメッセージのひとつでもあります。
また、東日本大震災は、故郷の青森まで及び、奈良のアイデンティティの変化に大きな影響を与えました。
5. ロック喫茶「33 1/3」と小さな共同体(Rock Cafe ”33 1/3” and a Small Community)
高校時代に通い詰めたロック喫茶の店舗を再現し、奈良の創造の「はじまりの場所」の風景について考えます。(青森県立美術館HPより)
このロック喫茶は、高校生の奈良が施工から手伝い、開店後も入り浸った場所。そのお店が復元されています。外に掛けられている看板は、当時のものなんだそうです。そして、壁には色褪せた本展覧会のポスターが!
奈良美智について
奈良美智は、1959年、青森県生まれの画家です。
愛知県立大学大学院修士課程を終了後、ドイツに渡り、国立デュッセルドルフ芸術アカデミーで学びました。
こちらを睨みつけるような鋭い眼差しの女の子の絵画や、大きな犬の立体作品が有名です。
一見、ポップな印象を受ける作品が多いのですが、その裏にあるメッセージ性は、奈良の画家としてのあり方につながり、40年間の画業を支えてきました。
巡回情報
本展の巡回情報は、ありません。
2024年に、ビルバオ・グッゲンハイム美術館において個展の開催が決定しています。
こちらも楽しみですね!
カーサ ブルータス/2023年12月号
カーサ ブルータス2023年12月号では、「奈良美智と家」と題して、奈良美智の家やアトリエが紹介されています。
青森のアトリエや家の内部を垣間見ることができます。
青森県立美術館を訪れる前の、ガイドブックとしてもおすすめです!
別冊で、『iPhone×旅』が付属しています。
こちらには、青森県立美術館、十和田市現代美術館、弘前れんが倉庫美術館などが紹介されています。
カメラマンは、濱田英明です。
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